保育士と幼稚園教諭ってとっても似ている職種ですよね。
資格も同じような単位だし一体何が違うんだろう?と疑問に思っている人もいることでしょう。
そこで今回は、保育士と幼稚園教諭の違いについて、「仕事内容」や「給料」など、詳しくご紹介したいと思います。
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著者:きょう /岡山県/30代後半女性/保育士歴9年
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保育園と幼稚園では、施設の目的が違う
保育園で働くには保育士資格、幼稚園で働くには幼稚園教諭の免許が必要になります。
これはまず、管轄する省庁が違うために施設の目的が異なるということが大きく関係してきているんです。
保育園は、主に厚生労働省の管轄になります。
児童福祉法で保育園での基本的な方針が定められているのですが、この中の第39条によると
「日々保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育すること」
となっています。
対象年齢も0歳児~就学前までとなっており、主に両親が共働き世帯を対象にしている保育施設です。
一方、幼稚園の管轄は文部科学省です。
保育園が児童福祉法なのに対して、幼稚園は学校教育法が定められています。この中の第77条では
「幼児を保育し、適当な環境を与えてその心身の発達を助長すること」
を目的としています。
対象年齢は3歳児~就学前となっており、基本的な生活習慣よりも、学習面を中心とした指導になります。
保育園も幼稚園も子どもに寄り添う仕事ではありますが、これだけ目的が違ってくると毎日の保育内容も全く違ったものになってくるんですね。
保育士の仕事内容・給料
では、更に詳しく保育士の仕事内容について見ていきましょう。
保育園での勤務内容というのは、主に両親が子どもに伝えていく基本的な生活習慣も教えていくことが重要になります。
保育時間も原則8時間と定められていて、年間を通しての保育日数の制限もありません。
基本的に日曜日や祝日以外、保育園は開いているので、子どもと接する時間が長いのは保育園での勤務となります。
仕事内容は食事指導から排泄まで多種多様で、ここに行事なども絡んできます。
勤務時間はほとんどの施設で「延長保育」などがあるためシフト制をとっています。
勤務する施設の形態も、公立保育園・私立保育園(認可・無認可)・小規模保育園などがありそれぞれの施設でそれぞれの特色があります。
保育士の平均年収は326.7万円となっており、この平均値には公立保育園のお給料も入っているので、実際に私立保育園などで勤務している保育士さんからみると高めのお給料だと言えます。
大体、私立保育園などでの初任給は額面で18万円前後のところが多いというのが現状ですね。
幼稚園教諭の仕事内容・給料
続いて幼稚園教諭の仕事内容やお給料についてです。
幼稚園での勤務は原則保育時間が4時間と決められています。
他にも一年間の保育日数も定められており、夏休みや冬休みがあります。
あわせて、土曜日も休園している幼稚園が多く、子どもと関わる時間は保育園よりは短いです。
しかしそれでも、最近は利用者拡大のため、「預かり保育」の実施や、私立幼稚園なら特色を出すために、新しい教育法を導入したりしている幼稚園も少なくありません。
ただ子どもと寄り添って毎日を過ごしていくというよりは、より学習面を深く追求したりする幼稚園が多いのです。
しかし勤務時間は固定時間勤務で、大体17時になると帰ることができるというケースが多いですね。
お給料に関しては実は保育園と全く逆になる場合もあります。
幼稚園教諭の平均年収は339.3万円と、保育園より多いのです。
しかしこれは、幼稚園の中でも私立幼稚園で、対象家庭が「富裕層」ばかりの幼稚園教諭の年収も入っているためです。
有名進学校に入学するために、幼稚園受験をするという場合もありますよね。
そういった私立幼稚園はとても人気で、経営状態も悪くありません。
最近では、公立幼稚園でも利用者が激減しているため、厳しい運営にある幼稚園も多いですよね。
公立幼稚園も閉園してしまう施設が多いのです。
そうなると、公立幼稚園に勤務していると、保育士の初任給よりも少なく、20年勤務してようやく月収20万円を超えると言ったケースも少なくありません。
今、両方の資格をもった「保育教諭」がアツい!
二つの違いを理解していただけた上で、是非考えていただきたいのは「保育士」も「幼稚園教諭」もどちらも持っている「保育教諭」という存在です。
皆さん、「認定こども園」というのは耳にされたことはありますか?
幼稚園と保育園の施設目的や機能を合体させた新しい保育施設です。
待機児童解消のために導入されたものですが、実際認定こども園は伸び悩んでいるのです。
これは何故かというと、認定こども園には幼稚園教諭免許と、保育士資格の両方を併せ持つ職員が必要になるからです。
もちろん、すぐに資格を取得しなければ働けないということはありません。
しかし将来的には両方の資格がないと働けませんので、もし今から取得を目指すのなら、両方の資格を持った保育教諭を目指した方がいいですね。
また、今現在、片方の資格しか持っていない!という人は、3年以上かつ4320時間以上の実務経験があれば特例制度を利用して簡単に持っていない方の資格や免許を取得することができます。
この制度は平成31年度までとなっていますので、対象の方はこの機会を逃さず取得しておきましょう。
保育教諭はその数が少ないことが問題にもなっていますので、保育教諭として転職や就職をするというのは、他にはない強みになりますよ。
どちらも子どもの成長に寄り添うという点では同じ
保育士と幼稚園教諭、どちらが幸せなのでしょうか?
どちらにも大変なこともあればやりがいもたくさんあります。
しかし、あなたが子どもと寄り添う仕事がしたい、と選んだのならどちらで働いても幸せなことです。
保育園と幼稚園どちらで働こう?と考えるのもいいですが、もしかすると就職した保育園や幼稚園が将来的に認定こども園になってしまうかもしれません。
両方の資格や免許を積極的に取得するということも視野に入れて、キャリアを歩んでいきましょう。
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著者:きょう /岡山県/30代後半女性/保育士歴9年
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